長い歴史を生き抜いてきた数秘術。その起源と種類について解説

数秘術を調べていくと、古代ギリシャのピタゴラスの名前がでてきたり、よく分からないカバラという名前もでてきます。ピタゴラスは数学で習った「ピタゴラスの定理」で知っていると思いますが、カバラという名前は知らない人も多いのでは?
いま数秘術で有名な種類は、このカバラ数秘術とピタゴラス式です。
とはいっても、数秘術の歴史は長く、最初は学問であり、西洋占星術やタロットなどと結びついて占いとしても発展し、ユダヤ教の書物を読み解くテクニックとしても利用された、という複雑な経緯があります。
だからこそ、数秘術は知れば知るほど面白く魅力的なものなのです。
数秘術の起源
数秘術は学問であり、占いであり、かつ宗教とも結びついた歴史があります。起源はピタゴラス、といわれていますが、もっと前から数秘術を使っていた形跡もみられる、という説もあります。
学問としての数秘術の創始者は数学者のピタゴラス
数秘術のはっきりした起源はわかりませんが、数秘術を学問として始めた人は、ギリシャの数学者であって哲学者のピタゴラスです。
数秘術は、いまは分類上は占いですが、もともとは、ピタゴラスが「宇宙のすべては数の法則に従う」という思想を確立した、数秘学という学問から始まっています。
ピタゴラスの思想に基づいて創設されたピタゴラス教団には優秀な人材が集まり、古代ギリシャで最も有名な数学の研究機関になりました。このピタゴラスの思想は弟子のプラトンに引き継がれて、数学の発展とともに広まっていきます。
古代ギリシャでは文字と数を対応させるということもすでに行っていて、いまの名前と数を結びつける姓名数にも影響しています。
数秘術は最も古い分析学であって統計学のひとつ
ピタゴラス式の「宇宙のすべては数の法則で成り立っている」という数秘術は、特別な数字を使って行動や精神の分析を行っていく分析学の1つでもあり、たくさんのデータからチャートを使って読み込んでいく統計学の要素もあります。
歴史的には、最も古い分析学と統計学のひとつといってもいいでしょう。
数秘術の種類
数秘術の特徴として、他の占いや学問、そして、宗教ともなじみやすい、ということがあります。
数秘術の持つ「数の法則」という考え方が、学問とも占いとも宗教ともなじみやすいものだからかもしれません。
数秘術はいろいろなものと結びついて発展し、改良され、さまざまな種類が生まれました。
数術から生まれた占術としての独自性
宇宙のすべては数の法則で成り立っている、というピタゴラスの思想は、まず、数学を発展させました。そこから、ヨーロッパで栄えていた西洋占星術やタロット占いと結びついて占いとして発展していきます。
数を扱う、ということ自体、古代ギリシャでは神秘的な行為とされていて、その流れで占術とも結びつきやすかったのでしょう。占術としてみれば、数の法則は新しい占術として独自性の魅力があります。
ユダヤ教の神秘主義思想カバラと結びついたカバラ数秘術
学問として始まった数秘術が占いとしても発展していき、ルネサンス期の黄金文化の一翼を担います。
また、中世の宗教文化にも数秘術は取り込まれます。ユダヤ教の神秘主義思想であるカバラの書物を読み解く際のテクニックとして、数秘術は便利だったようです。文字と数字を結びつける数秘術の考え方は、テクニックとして使いやすいはずです。
そして、そこから生まれたのが、カバラ数秘術です。カバラ数秘術の特徴は、生年月日と名前を使って占う方法です。導き出された数字は運命数とよばれ、1~9までの数字と、マスターナンバーといわれる11、22、33のぞろ目の数字があります。
マスターナンバーは、特別な才能や能力をもっている人をあらわす数字です。
数学者ピタゴラスによって生まれたピタゴラス式
カバラ数秘術は生年月日と名前から運命数を導き出し、占っていくのに対して、ピタゴラス式は、数学者のピタゴラスが創始した数式によって数字を導き出すものです。
カバラ数秘術と大きく違うところは、ぞろ目のマスターナンバーがないところ。ぞろ目の数字を特別扱いしないところがピタゴラス式の特徴です。
20世紀に生まれたモダンヌメロロジー
占いとしても学問としても発展していった数秘術ですが、20世紀初頭になると、アメリカ人のミセス・バリエッタという女性が、数秘術を体系的にした書物を出しました。
協力者のジュリア・セトンという女性や、セトンの娘のジョーダンによって少しずつ改良され、現代の数秘術につながっています。これをいままでの数秘術に対して「モダンヌメロロジー」(新しい数秘術)といわれています。
特徴としては、誕生日と姓名から算出するところは同じですが、中心的な数字をライフパスナンバー、他にデスティニーナンバー、ソウルナンバーがあって、細かいところに違いがあります。
特に有名なのはカバラとピタゴラス式
モダンヌメロロジーから派生した流派はいくつかあります。数秘術師によって、いろいろな解釈ができてアレンジしやすいのも数秘術の特徴です。その違いを少しでも知っておく方が、数秘術師としては有利です。
とはいっても、外せないのが、やっぱりカバラ数秘術とピタゴラス式です。基本中の基本ということで、この2つは、しっかり把握しておきましょう。
カバラ数秘術とピタゴラス式の違い
数秘術のなかで有名なのが、カバラとピタゴラス式です。ピタゴラス式は、ピタゴラスが創始者でプラトンによって発展した数秘学からできたもの。カバラはユダヤ教の神秘主義思想のカバラから変遷して生まれたものです。
数字の意味も内容も違っています。
マスターナンバーの扱い
カバラでは、ぞろ目のマスターナンバー(11、22、33)はスピリチュアルな数字として特別扱いされています。それに対して、ピタゴラス式にはマスターナンバーはありません。学問から発展したピタゴラス式にとっては、スピリチュアルな数字は必要がないのかもしれませんね。
ぞろ目に対する扱い
ピタゴラス式からすると、ぞろ目の数字は他の数字と同じ扱いです。ぞろ目ではなく、ピタゴラス式で重要な数字は「10」です。10の数字の意味は「完全・宇宙」になっています。
運命数の数字に対応したカラーの違い
運命数の数字は、その特徴に合ったラッキーカラーが決められていてカラーセラピーにも利用されています。運命数の数字のラッキーカラーも、カバラ数秘術とピタゴラス式では違っています。どちらを自分のカラーにするか、は人それぞれの好みに任されることが多いようです。
「長い歴史を生き抜いてきた数秘術。その起源と種類について解説」のまとめ
数秘術は複雑な歴史をもっていて、学問であったり、占いであったり、宗教にも利用されてきました。そのため種類もさまざまで、流派もたくさんあります。
数秘術の種類の違いをできるだけ知ることは、自分に合った占術を選ぶ際には大いに役に立つはずです。それは同時に、人の人生を占ってあげる時にも多面的なアドバイスができることにもなって、人の役にも立つはずです。
これからも数秘術はいろいろなものと混ざり、また改良が加えられていくかもしれません。それでも、古代ギリシャで数を扱う行為が神秘的だったように、数秘術の「数の法則」の独自性の魅力は変わらなく続いていくことでしょう。
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